この前の質問に、とても丁寧にお答えしていただきまして、有難うございました。またまた、よろしくお願いします。腹腔鏡検査を含めて、全ての検査で、異常なしの場合、機能性不妊といわれると思いますが、その中で、受精し、いったんは、着床したものの、ごく初期に流れてしまうこともあると思います。14日間の高温期は続いたのですが、その後、だめになるという場合です。この場合、妊娠判定の前には、流れてしまっているので、判定は、常にマイナスになると思いますが、実際は、妊娠の一歩手前で、いつもだめになっているので、着床障害という意味で、不育症とある意味では似たようなものかと思います。高温期10日目くらいで、HCGの血液検査をして、妊娠の可能性が高くて、14日目には、マイナスがでる場合、機能性不妊でも、原因は、着床障害ということで、不育症の検査をしたほうがよいのでしょうか。白血球の型がにている場合や、夫婦の染色体に異常がある場合なども、このような着床障害をおこすことがありますか。一般に不育症の検査は、2,3回妊娠し、流産をした人にのみ、適用されるようですが、それは、保険が効かないからでしょうか。それとも、3週間以上高温期が続かない人は、たとえ、いったん、妊娠していても、不育症の検査は、意味がないのでしょうか。機能性不妊の場合、着床したあとに問題があると思われるので、もし、体外受精を何度くりかえしても、結局だめな可能性が高く受精障害がある場合を除いては無駄なような気がします。機能性不妊に対しては、どのような治療が最適なのでしょうか?
回答が遅くなり申し訳ありません。このご質問ですが私自身もよくわからなくて、お答えするのが非常に難しいです。まず機能性不妊ですが、すべての検査で異常が認められない場合にこの分類に入れます。原因不明不妊とほぼ同じ意味であると思います。ご指摘の通りその中には着床障害もあるでしょうし、着床しても(妊娠しても)それが判定できる前に流産を繰り返す方も含まれる可能性もあります。
ご質問のポイントは、
1. 不育症の原因となるような染色体異常や免疫的な問題で着床障害となることがあるのか?
2. それは不育症の検査をすれば何らかの回答が得られることなのか?
ということでしょうか。
残念ながら着床に関しては殆ど解明されていないのが実情です。着床障害に関してはその病態もよくわからないし、診断の方法も確立されておりません。従いまして明確な答えができませんが、そのことをお断りした上であえて申し上げるなら1.に関してはあり得る話かとと思われます。しかしながら2.についてはやや疑問に思います。すなわち着床障害の原因究明のために不育症の検査を全て行ったとしても(かなり多項目で費用もかかる)決め手に結びつくような結果にはならないと考えるからです。不育症(習慣性流産)は妊娠の診断がついた上で流産を繰り返す状態をいいます。着床できないことと、極めて早期(通常の妊娠反応が出ない時期)の流産とを臨床の場で正しく区別することは実際問題としては難しいですが、不妊と不育は分けて考えるべきと思います。また体外受精は受精障害に対しての治療で着床障害に対する治療でないことはその通りです。ただし機能性不妊(原因不明不妊)に無効であるとするのはあたらないと思います。これを読まれた方で別の考えをお持ちの方はまたこのコーナーでお考えをお教えくだされば嬉しいです。